奥深い緊縛の世界

意外と知らない「亀甲縛り」のルーツ…もともとは○○を縛るための技術!?

SMプレイの定番といえば、緊縛。一口に緊縛といってもさまざまな縛り方がありますが、誰もがまず思い浮かべるのは「亀甲縛り」ではないでしょうか。今回は、「亀甲縛り」の意外なルーツについてざっくりご紹介します。

もともとは「米俵」を縛るためのテクニック!?

体の正面を這う縄の模様が、亀の甲羅を連想させることからその名が付けられた「亀甲縛り」。SMに詳しくない人でも知っているほどポピュラーな縛り方で、この言葉を聞くとついついエッチなことを想像してしまいますが、もともとは人を縛るための方法ではなく、米俵などの重いものを縛るための方法でした。縄で多角形をつくり網目のように張りめぐらせていく亀甲縛りは、重量があり安定しにくい米俵などを運ぶのに重宝していたそうです。

江戸時代に入ると、囚人を護送する際にも使われるようになりました。縛り方が複雑な亀甲縛りには、縄脱け(なわぬけ)を会得していた忍者も敵わなかったようで、「がんじがらめ」や「一筋縄ではいかない」といった慣用句はここから来ているという説もあります。

また、明治初期に入ると、緊縛された女性を描いた錦絵(多色刷りの浮世絵版画)が一部で流行。これをきっかけに、エロティシズムとしての緊縛が徐々に広まっていきました。

さらに大正時代には、画家の伊藤晴雨(いとう せいう)が自らの妻や愛人をモデルにした「責め絵」「責め写真」を発表。多くの人々を緊縛フェチに目覚めさせ、彼はいまもSM界のレジェンドとして崇められています。(詳しいプロフィールはコチラをチェック!)

ちなみに、亀甲縛りという名前自体はポピュラーではあるものの、肝心の縛り方は誤解されがちです。体の中心にくる縄の形が六角形のものが「亀甲縛り」、ひし形(四角形)のものは「菱縄縛り」となります。

近年は“Shibari(縛り)” “Kinbaku(緊縛)”の名で世界的にも広まっている緊縛ですが、手順を誤ると大ケガや死亡事故につながることもあります。初心者は必ずプロの指導を受けて、安全にプレイを楽しみましょう。

1992年生まれ。一児の母。自称・東洋一のおバカブログ「オリエンタル愛ランド」の管理人。脳内の8割くらいは下ネタです。 青年漫画、ゲーム、動物全般、プロレスが好き。性の目覚めはキューティーハニーのOVA。